天体写真の撮影制御ソフト「N.I.N.A.(NIGHTTIME IMAGING 'N' ASTRONOMY、以降はNINAと記述します)」の使い方を説明します。
NINAは、APT(Astro Photography Tool)と並ぶ、DSO撮影に向いた天体写真撮影の総合制御ソフトです。カメラの制御だけでなく、フィルターホイール、赤道儀やフォーカサーなども制御できることで、ピント合わせから導入、撮影にいたる全工程を自動化できるソフトです。冷却CCDやCMOSといった天体用のカメラだけでなくデジカメでも使うことができます。
これまでBackYardEOSを使っていてデジカメの制御であれば不満を感じていなかったのですが、NINAやAPTでは星図マッチング(プレートソルビング)に対応している事を知り、赤道儀のアライメント(同期)が楽にできるかも?と思い試してみました。
使ってみると、アライメントだけでなく、事前の構図の検討から撮影当日の対象導入および撮影まで、DSO撮影の用途で十分な機能がありとても便利に感じています。
NINAとAPTの公式ドキュメントを見比べるとAPTの方が圧倒的に多機能でAPTにできないことはなさそうです。私はAPTののライセンスを購入して先に使ってみたのですが、QHY268Mをうまく制御できず、NINAを使うことにしました。
ただ、現時点で実現したかった機能はNINAで果たせており、日本語表示とシンプルな見た目も気に入りましたのでNINAを使用していく予定です。
2022/8/15追記
NINAのバージョン2.0に対応しました。
2.0への対応不十分な点、分かりにくい所があれば、メール(tama@nuasa.org)にて連絡下さい。
項目 | 補足 | 更新日 | |
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インストール | 2022/10/8 | ||
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2022/2/20 | ||
アップデート |
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2022/8/15 | |
設 定 |
一般 |
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2022/8/15 |
機材 |
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2022/8/15 | |
撮像 |
|
2022/8/15 | |
プレートソルブ |
|
2022/8/16 |
NINAの操作方法のみを解説します。NINAの操作以外を含む手順は「NINAを用いた天体撮影の手順」を参照して下さい。
項目 | 補足 | 更新日 | |
---|---|---|---|
操作 | 機材の接続 | カメラ、赤道儀、オートガイドの接続方法 | 2021/7/18 |
撮影(1枚撮り、ライブビュー) |
ピント合わせ作業などのための試撮影 |
2021/7/24 | |
プレートソルビング |
撮影画像の位置同定 初回のアライメント、導入時の微調整などに使用 |
2021/7/24 | |
シーケンスの作成 |
シーケンスの作り方と保存・読出し方法 ★NINA2.0のシンプルシーケンサ★ |
2022/8/16 | |
シーケンスの作成(繰返し撮影) |
LRGB撮影などフィルタを交換して繰返し撮影する場合の作り方 ★NINA2.0のシンプルシーケンサ★ 【旧版用】シーケンスの作成(繰返し撮影) |
2022/8/17 | |
シーケンス撮影 |
撮影の実行方法 |
2021/7/18 | |
フレーミング1(スカイサーベイ画像を用いた導入) |
スカイサーベイ画像を用いてのフレーミング(構図決め)方法 |
2022/8/17 | |
フレーミング2(撮影画像を用いた導入) |
過去の撮影画像を用いたフレーミング(構図決め)方法 |
2022/8/17 | |
フレーミング3(シーケンスへ設定) |
フレーミングで構図決めした情報をシーケンスへ設定する方法 (モザイクの写野枠の設定方法も合わせて説明) |
2022/8/17 | |
フレーミング4(モザイク写野枠の設定) |
フレーミングでモザイク写野枠を設定する方法 |
2021/8/17 | |
フラットフレームの取得【Flat Wizard】 | フラットフレームのカウント値を調整する機能の操作方法br> | 2022/11/6 |
自宅での事前準備から遠征地での撮影開始までの全ての流れを説明します。それぞれの項目で参考とするNINAの解説(上表と同じ)をリンクしてあります。
自宅での事前準備(撮影機材不要) | |
1. | 対象周辺スカイサーベイ画像のダウンロード |
【NINA機能:フレーミング】…フレーミング1(スカイサーベイ画像を用いた導入)[手順1〜2] 自宅などネットワーク環境のある場所で行います 撮影する機材システムより広めの写野で撮影対象のNASAスカイサーベイ画像など(他にも選択肢あり)を取り込んでおきます |
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自宅または遠征地での撮影準備(撮影機材不要) | |
2. | 構図(フレーミング)検討 |
【NINA機能:フレーミング】…1.項と同じ 取り込んでおいたスカイサーベイ画像に対し、撮影する機材での写野枠を表示して、PC画面上で構図を決めます モザイク撮影にも対応しており、その場合は指定したオーバーラップで複数の写野枠が表示されます |
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3. | 撮影計画(シーケンス)の作成 |
【NINA機能:フレーミング→シーケンス】…フレーミング3(シーケンスへ設定)と使用方法3(シーケンスの作成)or(シーケンスの作成(繰返し撮影)) 露光時間や撮影枚数、ディザリングガイドの実施有無や実施頻度などを設定します 設定したシーケンスを保存しておくことができます |
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遠征地での撮影準備(撮影機材必要) | |
4. | 機材の接続 |
【NINA機能:機材】…機材の接続 機材を組み上げてPCと機材類の配線をした後に、まずPHD2の起動と接続、ステラナビゲータの接続と日時場所の送信を行っておきます その上で、NINAと機材を接続します 冷却カメラを使用する場合は、ここで冷却を開始します (ステラナビゲータなどのプラネタリウムソフトは必須ではありませんがあった方が便利です) |
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5. | 赤道儀の同期(アライメント) |
【NINA機能:撮像】…撮影(1枚撮り、ライブビュー)とプレートソルビング 本撮影時と鏡筒の東西方向を合わせた上で、ある程度のピント合せ(私はピントはほぼ変えていないのでこの作業は不要)、NINAで適当に星が写る程度(1〜10秒)の試写をおこないます 試写した画像に対し、プレートソルビングを行って、赤道儀の方向を同期します |
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6. | カメラ回転角度調整 |
【NINA機能:撮像】…撮影(1枚撮り、ライブビュー) ステラナビゲータで、1等星クラスの明るい星を導入します NINAで十字線を表示し、ライブビュー撮影しながら、赤道儀を南北または東西に早送りしてカメラの画角を東西南北に平行、直角になるようカメラの取付角度を微調整します |
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7. | ピント合わせ |
【NINA機能:撮像】…6.項と同じ バーチノフマスクを使って詳細にピント合わせします ピント合わせ後、そのまま、バーチノフマスクを外して試写し、スパイダーの回折像がキレイに一本線であることを確認します |
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8. | オートガイドのキャリブレーション |
【NINA機能:使わない】・・・PHD2を使用 PHD2で、ガイド鏡のピント合わせ後にキャリブレーションを行います |
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遠征地での撮影 | |
9. | 撮影 |
【NINA機能:シーケンス】…シーケンス撮影 3.で作成したシーケンスを実行します シーケンスの設定で、ガイド開始:オン、対象の導入:オン、ターゲットをセンタリング:オンにしておくと対象導入から位置の微調整まで自動で行てくれます またモザイク撮影の場合は、上記設定を全てオンにしておくことで、モザイク画角の移動も自動でやってくれます 私は1対象/夜しか撮影しないことが多いので、必要ないですが、シーケンスで複数対象の設定をしておくと、1晩完全放置での撮影が可能になると思います。フォーカサーがあればオートフォーカスも温度変化や撮影枚数などのトリガーで自動で行うことが可能です |