前回、2020年7月号「マルカリアンチェーンとその周辺」でいただいてから4年9ヶ月ぶり、2回目です。
今回の受賞作品は「Arp273」です。
事後なのでなんとでも言えますが、今回は前回とは違って応募時からこれならイケるかも…という感触がありました。
手記にも書いたように、ハッブル宇宙望遠鏡の21周年記念をネットで見かけて心奪われたことがArp273を撮影しようと思ったきっかけです。撮影中はそんなに暗い対象ではないためパソコンのモニタで独特の渦巻が見えていましたが、イケると思ったのは2年かけて撮りためたデータの処理中盤、カラーデータのLをモノクロデータと入れ替えた時です。UGC1810の渦巻構造が詳細にあらわれ「ヨシ!」と声が出ました。
その後、ネット上の作例を見まくって自分なりの仕上げイメージを固めて、特に色合いを何度も追い込み、満足度120%の状態に持っていくことができました。
2024/12/31に仕上げて、天文ガイドの応募締め切りである1/25に対して余裕をもって1月中旬頃、天文ガイド編集部へ送付しました。最優秀に選ばれるなら2月上旬に連絡があるはずです。
2/4、仕事の出張に向かう道中、スマホでメールを読むと来ました、天ガからのメールが。
開いてみると、【審査の結果、2025年4月号(3月5日発売)の最優秀作品として玉島様が撮影された「Arp273」が選ばれました】という文面が目に飛び込んできて、再び(心の中で)「ヨシ!」とつぶやいて喜びをじっくりとかみしめました。
ただこんな風に書けるのは、やはり事後だからです。
前回のマルカリアンチェーンの後、自分でイケるかもと思った作品は数作品ありましたが、それらの中には入選すらしなかったものもありました。毎月、すばらしい天体写真を発表し続ける多くの天体写真ファンがおられる中で、こういったありがたい評価をいただけるかどうかは紙一重!
天文ガイドの最優秀や星ナビのトップ下に選ばれるかどうかは、作品の良さだけでなく、タイミングや対象など多くの要素に左右され、一定レベルの出来栄えまでいった後は、まさにカオスですよね。今回はその巡り合わせが自分にたまたま合致しただけと思い、ありがたく喜びに浸っています。
さて、再び作品の仕上げについて述べておきます。
今回の対象は撮影時点からクロップすることを前提としていました。クロップするためにDrizzle×2の処理をして縦12,504px、横8,352pxの画像データを得ていました。そこからどの程度の画角でクロップするか、ここも悩んだ点です。
APS-Cで8,000mm相当、6,000mm相当、4,500mm相当の3つの画角作り、自分としては8,000mmが迫力あっていいんじゃね?と思いつつ、少しでも入賞確率を上げるため星友の助言を得ることにしました。
星友からの意見は、4,500mmまたは6,000mmで、「そうか、8,000mmはやりすぎか」とあっさり納得して、右側の星の並びのバランスを考慮して4,500mmの画角を選択しました。
最後に
天文ガイドは最優秀賞を受賞すると手記を書かせてもらえます。前回は初めてであったので自己紹介を兼ねて、この趣味に対する自身の取り組み姿勢を中心に述べましたが、今回はがっつりと今回の作品に対する思いと、こよなく愛するニュートン鏡筒およびタカハシ愛について語りました。
1980年代から興味をもった天文の世界、2009年の奄美での皆既日食を契機にデジタル天体写真の世界に足を踏み入れ、その後ますますのめり込んで、今では遠方の方とも繋がりができて私の人生の潤いの1つとなっています。今後も末永く楽しんでいきたいと思います。
手記の写真、前回は当時”はやり”であった??家族写真を載せましたが、今回は上の二人は大学生で不在で、妻からもあっさりと「イヤ」と断られたので、今回は趣味追及の写真を掲載しています。
さて、3回目があるかわかりませんが、まだまだがんばりますよ。
今回、もう一作品「NGC1555とその周辺」が星ナビ2025年4月号に掲載していただけました。
実は、欲張りなことに星ナビもトップ下ゲット!を狙っていたのですが、さすがにそうは問屋が卸さず…よくばり過ぎました。すみません^^A
左が天文ガイドの「Arp273」、右が星ナビの「NGC1555とその周辺」です。
星ナビの方は、同一対象および周辺対象と投稿されたNさん、Aさんと並べて掲載してもらえました。この特集にうまくはまったのが星ナビに掲載してもらえた要因かもしれないですね。
Arp273は、過去に同じ対象で掲載された方の情報も触れられていて、なんと同郷のMさんの名前が… Mさんとはなにかとご縁があります。