εシリーズの斜鏡は外周面に植毛紙が貼りつけられています。光学性能を引き出す上では良い設計なのですが、この植毛紙は経年劣化で毛が脱落してしまうのが問題点です。
私の鏡筒は2013年製、2014年の中古で購入しました。劣化に気が付いたのは2020年頃だったように記憶していますので、6~7年程度で劣化が進行したのだと思います。
我慢して使ってきましたが、主鏡の上の黒い粉が目立つようになってきたので重い腰をあげてようやく手を付けることにしました。
ε-180EDは斜鏡が大きすぎてスパイダーの隙間から抜くことができません。
主鏡セルを外すとかスパイダー枠を取り外すという手を考えると思いますが、それらは光軸への影響が大きいのでできれば外したくないです。
ε-180EDの場合、いい手があります。
この接眼部を外します。
接眼部の回転機構のロックネジ(4本ハンドルが出た銀色リング)をネジが外れるまで緩めます。
緩めると接眼部をこの写真のように取り外すことができます。
回転機構の差込部から抜く形なので、再組立て時の光軸再現性は高いです。
接眼部を外すと、この写真のようにギリギリですが、この穴から斜鏡をセルごと引き抜くことができます。
取り外した斜鏡です。
セル筐体に巻いてある植毛紙が劣化していることがわかります。
植毛紙を剥がそうとしたらベース紙がボロボロ破れたり、粘着面がセル側にこびりついて剥がれなかったりしないかを心配していました。
植毛紙の端っこを剥がしてみるとベース紙はしっかりしている上に、粘着面はセル側に残らず綺麗に剥がせそうです。
植毛紙剥がし開始です。
斜鏡セルを落とさないようしっかり持って、植毛紙をゆっくり剥がしていきました。
剥がし終わりました。
この作業で植毛紙からこんなに粉が落ちてしまいました。
鏡筒内面にもこの粉が落ちていましたので、斜鏡セルを外している間に、ガムテープで鏡筒内面に落ちてしまった粉を集めて綺麗にしておきました。粘着クリーナー(コロコロ)の要領です。
植毛紙を外した状態の斜鏡セルです。
若干ベタベタが残っていたので、エタノールで拭いて綺麗にしました。
εの斜鏡はコルクシートを干渉材にしてセルに貼り付けしてある構造のようです。
セル側面の3か所にネジがありました。引きネジが付いているベースを固定しているのかもしれません。
貼り付け方式なので、斜鏡をセルから脱着するのは面倒そうです。
貼り替えする反射防止紙の型紙を作りました。
形は正弦波になりますので、セルの直径を測ってエクセルでグラフ描画して作っています。
何度か印刷して縦横比を含めたグラフの大きさを調整し、実寸と合うようにしています(グラフは1目盛り10mmのマス目にしてあり、その寸法が合うように調整しています)。
型紙エクセルファイル←今回使用した型紙のエクセルファイルです。寸法シートの黄色セルを変更すれば、他の斜鏡でも使うことができます。
型紙の寸法が斜鏡に合うことを十分に確認した上で
反射防止紙に型紙を重ねて、型紙ごとカッターナイフで切り取りました。
反射防止紙はファインシャットSP0.2を使用しました。
全反射率は1.2%、とても黒いです。
ファインシャットシリーズにはさらに低反射を追求した全反射率が0.7%の「極」と0.5%の「極XX」がありますが、値段も高い(SP:1万円/mm2、極:8.2万円/mm2、極XX:27万円/mm2)です。
価格も考慮するとSPシリーズで十分かなと思いました。
貼り付けする前に巻いてみました。
事前に型紙で十分に確認していますので、予定通りピッタリです。
貼り付けする前に反射防止紙が突き合わせになる部分で、隙間が残る場合の対策として、反射防止塗料を塗っておきました。
斜鏡とセルの外径が若干違うが影響して、反射防止紙貼付けの際にシワが生じやすいです。若干のシワができてしまいましたが、総合的にはうまくできたと思います。
ただ、改めてこの写真を見てみると、斜鏡側面の露出が若干多めなのが気になりましたので、また時間が取れた時にやり直しを考えたいと思います。