8/22に主鏡セルから取外して再メッキの旅に出ていた主鏡が帰ってきました。
センターマーク貼り付けを終えたので、再びセルへ組み込みます。
主鏡のセルへの組み込みは鏡面が歪まないよう
やさしく(ゆるめに)
且つ、移動時や運用時にセルの中で主鏡が動かないよう
しっかりと(適度な強さで)
ネジを締めることを意識することが大事だと思っています。
私はこれまで締めすぎによる星像歪みを経験したことはありません。ただ、主鏡がセルの中で動いてしまったことがあります。こういった経験を通じて、少しづつ強めに締める形に感触を調整してきました。
締め付けによる主鏡の歪みは、主鏡の厚さやセルの支持構造に影響されることもあり、一概にこう締めれば良いという王道は存在しないので、ここに示す手順はあくまでもご参考と考えていただければと思います。
印象論ですが、タカハシの主鏡とセルは他社に比べると高剛性の設計で、ネジの締め込みによる歪みは生じにくいように思います。
セルのセンター穴に適度な厚さ、外径の瓶などを置いて、その上に主鏡の支持ゴムシート、主鏡を載せます。
主鏡のセル分解(MT-200)で示した手順の逆に、セルを持ち上げて、セルの穴にゴムシート&主鏡を嵌めていきます。少しづつセルを持ち上げて、それぞれの芯を指で微調整して嵌めていく感じです。
全てのネジを緩めに締めた上で、それぞを一度に本締めするのではなく、本締めまで1/3程度づつ締めていく感じ(全てを締め終えるのに3順(以上)する感じ)で少しづつ締めていきます。
MT-200の場合は、側面と上面の両方にネジがありますので、それら全てについて、1/3程度づつ締めていく感じです。
昔、どこかのホームページで見たのがきっかけですが、このようにドライバーの軸部を持って締め付けています。
具体的には、右手の人差し指と親指で軸部を掴み、左手でドライバー端面を押し付けながら、右手の指の力で締めていくやり方です。
ドライバーの細い軸径部で締めることで、精一杯締め付けても、トルクが掛かりすぎません。
側面のネジも同様にドライバーの軸部を掴んで締めこんでいます。
ポイント:ドライバーは軸部を掴め!
全てのネジについて本締めまで完了しました。
こちらの艶消し(黒)の塗料を使います。
遊馬製作所の光学用黒つや消し塗料です。
塗りやすく、乾くのも速くいい塗料だと思います。最近は、
KYOEIでも扱っているようですね。
このようにネジの周辺の艶消し黒の塗装が剥がれた部分に塗ります。私は、ネジの緩み止めも兼ねて、塗装剥がれが目立たないネジを含めて、全てのネジに塗布しています。
塗り終えました。
この写真は塗料が乾く前ですので、光沢感が見られますが、すぐに乾いて
しっかりした艶消し黒になります。