CANON EOS6D 特性値計測結果

2022/7/24掲載

はじめに

EOS6D

効率良くSN比を向上する撮影条件の選択に必要な、カメラの特性値計測結果を公開します。

これらは、私の所有するカメラでの実測結果です。メーカの公称値ではありません。
カメラ毎の個体差はあり得ますので、参考値としてご覧ください。

補足

1/G値

fig1

読み出しノイズ

fig2

ISO1600付近の情報がわかりにくいため、横軸ISO設定のグラフも掲載しておきます。

fig3

FULLWELL

fig4

ISO1600付近の情報がわかりにくいため、横軸ISO設定のグラフも掲載しておきます。

fig5

FULLWELLと読み出しノイズの関係

fig7

横軸をFULLWELL、縦軸を読み出しノイズにしたグラフに書き換えてみるとこのようになります。
ISO感度設定が高感度の領域では、読み出しノイズは階段状に低下していることから、同程度の読み出しノイズであれば、最も大きいFULLWELLとなる設定を選択するのが良いと考えます。
また、ある程度使えそうな読み出しノイズの範囲で、FULLWELLが高い条件も選択の対象になると思います。 このように考えて、選択の対象になりそうな設定条件に赤丸または赤矢印をつけました。

暗電流

fig6

特性値一覧表

ISO設定値1/G値
(e-/counts)
読み出しノイズ
(e-)
FULLWELL
(e-)
1006.13017.3481124
4001.5655.2020709
8000.7883.019450
10000.6503.047801
12500.5031.745279
16000.3901.714679
20000.3181.983819
25000.2531.452650
32000.2001.442394
40000.1591.441907
50000.1261.141321
64000.0931.091117
気温
(℃)
素子温度※
(℃)
暗電流(e-/sec)
-280.00697
16260.0976
23280.139
※BackYardEOSでの表示値(素子近傍温度と推測)
 気温23℃の素子温度は不正確な可能性あり(たいてい、気温+10℃程度になるため)
        設定or環境値        計測&分析値
お勧めの設定値
        FULLWELL重視        読み出しノイズ重視

所感

ISO1250以上の高感度設定の場合、読み出しノイズが2e-未満となり、QHY268M相当の低読み出しノイズとなる良い特性が得られました。 ただ、QHY268Mとの比較では、同程度の読み出しノイズにおけるFULLWELLが1/6程度しかなく、飽和に弱い特性と言えます。

私はこれまでISO1600を選択しておりましたが、この計測結果からは、 読み出しノイズが同等で、FULLWELLが少し高い(+600)ISO1250の方が良い選択ではないかと思います。
それ以上の感度設定については、ISO2500、ISO6400が読み出しノイズが低下するという点で意義があります。
また、FULLWELLを重視する場合には、読み出しノイズが増えますが、1コマの露光時間を伸ばすことで対応可能ならISO400、ISO800の選択も考えられると思います。 ISO100については、読み出しノイズがかなり大きいので、よほど空が明るいところでなければ選択する意義はなさそうに思えます。

暗電流については、気温が0℃以下の条件ではかなり低く、暗い空の環境でも使用可能な特性と言えます。しかし、気温が15℃を超えてくると光学系によりますが、背景光ノイズに比べて暗電流によるポワソンノイズが無視できない値となり、暗い空の環境で撮影する意義が低下すると思われます。

データシート

掲載データをエクセルファイル(97-2003ブック形式)でダウンロードできます。 ご希望の方は、以下のリンクをご利用下さい。

220406_EOS 6D特性_公開用


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