効率良くSN比を向上する撮影条件の選択に必要な、カメラの特性値計測結果を公開します。
これらは、私の所有するカメラでの実測結果です。メーカの公称値ではありません。
カメラ毎の個体差はあり得ますので、参考値としてご覧ください。
ISO1600付近の情報がわかりにくいため、横軸ISO設定のグラフも掲載しておきます。
ISO1600付近の情報がわかりにくいため、横軸ISO設定のグラフも掲載しておきます。
横軸をFULLWELL、縦軸を読み出しノイズにしたグラフに書き換えてみるとこのようになります。
ISO感度設定が高感度の領域では、読み出しノイズは階段状に低下していることから、同程度の読み出しノイズであれば、最も大きいFULLWELLとなる設定を選択するのが良いと考えます。
また、ある程度使えそうな読み出しノイズの範囲で、FULLWELLが高い条件も選択の対象になると思います。
このように考えて、選択の対象になりそうな設定条件に赤丸または赤矢印をつけました。
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気温23℃の素子温度は不正確な可能性あり(たいてい、気温+10℃程度になるため) |
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ISO1250以上の高感度設定の場合、読み出しノイズが2e-未満となり、QHY268M相当の低読み出しノイズとなる良い特性が得られました。 ただ、QHY268Mとの比較では、同程度の読み出しノイズにおけるFULLWELLが1/6程度しかなく、飽和に弱い特性と言えます。
私はこれまでISO1600を選択しておりましたが、この計測結果からは、
読み出しノイズが同等で、FULLWELLが少し高い(+600)ISO1250の方が良い選択ではないかと思います。
それ以上の感度設定については、ISO2500、ISO6400が読み出しノイズが低下するという点で意義があります。
また、FULLWELLを重視する場合には、読み出しノイズが増えますが、1コマの露光時間を伸ばすことで対応可能ならISO400、ISO800の選択も考えられると思います。
ISO100については、読み出しノイズがかなり大きいので、よほど空が明るいところでなければ選択する意義はなさそうに思えます。
暗電流については、気温が0℃以下の条件ではかなり低く、暗い空の環境でも使用可能な特性と言えます。しかし、気温が15℃を超えてくると光学系によりますが、背景光ノイズに比べて暗電流によるポワソンノイズが無視できない値となり、暗い空の環境で撮影する意義が低下すると思われます。
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