馬頭星雲とその周辺

天文ガイド2022年4月号に入選
オリオン座

Barnard33-2021/11/5-2022/1/8

写真データ

撮影日,撮影時間,月齢,撮影地: 2021/11/6, 1:06:38〜, 0.8@1:06,八塔寺
露出時間: UVIR:120sec×217コマ+60sec×234コマ+15sec×138コマ+5sec×174コマ+1sec×152コマ
HEUIBⅡ:120sec×84コマ+60sec×56コマ+5sec×30コマ+1sec×30コマ
[総露出時間:15h46m32s]
ISO感度: 1600
機材: タカハシEM200T2M
タカハシε180ED(500mm F2.8)
Canon EOS 6D(HKC),バーダーUV/IR-cut or IDAS HEUIBⅡ,BYE使用(素子温度:-1〜16℃)
タカハシFC-65(ガイド鏡)+QHY5LⅡM+PHD2
撮影地: 岡山県備前市吉永町(八塔寺)
その他: PixInsight,PhotoShop,FlatAidePro,Topaz DeNoise AI
コメント:

馬頭星雲は天体写真撮影対象、超メジャー群の一つですが、長年避けてきました。 多くの方が撮影されているので、それらと比較してうまく仕上げられるか怖かったという感じかなと思っています。

馬頭星雲に初めてカメラを向けたのは、確か中学生の時、200mmの望遠レンズで家の庭先からだったと思います。結果は何も写らず…露光の跡がなかったのでフィルム装填に失敗したぁ!とおもったのが記憶の片隅にあります。
次の撮影は、大学時代、名古屋大学天体研究会の備品であったMT-160&フジカラーsuperG400での60min露光でした。この時は憧れの馬頭星雲を自分の手中におさめられてうれしかったですね。
時は流れて、2015年になってから直焦のデジタル撮影を開始し、ε-180ED&EOS kiss X5にてたった16分の露光でここまで写るんだとデジタルでの写りの良さを楽しみました。
ということで、馬頭星雲を対象にしたのは今回で4回目ということになります。

この対象はオリオンの三ツ星のひとつ二等星のアルニタクをいかに美しく仕上げるかが一つのポイントと思っています。私のこだわりは星の芯を尖らせ光芒で美しさを引き出すこと、そのために最短1秒の多段露光を行ないました。フィルタはUV/IRのみで撮りきるつもりだったのですが、もう一本同時に撮影していたMT-200の方でUV/IRが必要になってしまったため、手持ちのフィルタの中で特性が近いHEUIBⅡを途中から使用しました。
今回は5段階の多段露光にしたせいで、計1115コマのデータをコンポジットするのは忍耐との闘いでした。前処理が終われば一気に楽しみが広がります。15時間分のデータは非常に腰が強く、馬頭星雲の周辺の幾重にも重なったガスの構造をあぶり出すことができました。
印刷して仕上げるにあたり、同じ同好会仲間から構図のアドバイスをもらい六切サイズ(1:1.25)に切出したことで引き締まった作品になったと思います。

50歳の誕生日に撮影はじめたこの作品は、2022年4月号の天文ガイドに入選することができ、非常にうれしい思い出になりました。

撮影時の記録

2021/11/5

fig1

目標露光時間は、10〜20時間として、メジャー天体をたっぷり露光で撮影して、モリモリに仕上げる計画で始めました。
3日くらいで撮りきるつもりだったのですが、秋から冬にかけて週末の天気が安定せず、結果、トータル9日間もかかってしまったのは誤算でしたね。

さて、撮影初日、11/5の夜のひまわり画像です。
セッティングを終えても、なかなか雲が晴れずに日が変わろうとしています。


fig2

日が変わって11/6、晴れてきました。


fig3

気温は4.5℃、暖かいですね。


2021/11/6

fig4

50歳の誕生日を星仲間にお祝いしてもらいました。


fig5

【360度画像】(画像をクリックしてください)
この日はたくさんの星仲間が集まりました。


2021/11/27

fig6

この日は最初は晴れたのですが、しばらくすると雨が振り出しました。
ただ、明け方にレナード彗星を狙う予定でしたので、朝まで粘りました。→この日のレナード彗星
馬頭星雲は1時間弱しか撮れなかったんですけどね。


2021/12/3

fig7

この日はデータ10分も溜まりませんでした。
馬頭星雲の撮影中はこんなことばかりでした。


2022/1/1

fig8

新年を迎えて初撮りしました。
この日は2時間超撮れましたよ。


2022/1/2

fig9

星撮りに行くとお腹減ります。
食べすぎですかね。


2022/1/3

fig10

この時期にしてはそんなに寒くないですね。


2022/1/8

fig10

この日が最終撮影日でした。
お休みもらって日曜〜月曜の夜を一人で楽しみました。
とてもシーイングの良い日でしたね。
撤収時の写真です。



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