雪の中での天体観測
〜2023年1月28日〜29日のZTF彗星(C/2022 E3)〜

2023/2/15掲載

2023年1月24日夜〜25日にかけて、強い冬型になり最強寒波が襲来して全国的に極寒になりました。関西でも雪が積もり姫路は10cmを超える積雪となりました。
雪は翌日にはすっかり解けましたが、1月28日(金)も再び雪雲が流れ込んで再び姫路でも雪が積もりました。

明けて1月29日(土)、天気は晴れるかどうか微妙な予報で遠征はやめておこうと思っていたのですが、夜になっても晴れ間が広がり 曇る気配がありません。 彗星を狙うラストチャンス!、 この機会を逃すときっと後悔する と思いホームグラウンドの八塔寺へ 遠征することをSNSで宣言しました。

前日の積雪は道路には多少残ってるかなとは思いましたがスタッドレスタイヤがあるから大丈夫でしょうと考えながら22時過ぎに自宅を出発しました。

上郡を過ぎたあたりから路肩に多少雪が見え始めやっぱりあるね〜程度の思いで八塔寺を目指し、車を走らせます。
岡山を過ぎたあたりからどんどん雪が増えて、路面にも雪が残り、一旦溶けたところはしっかり凍結していました。

当日撮影した写真はこちら
2023/1/29 C/2022 E3(ZTF彗星)〜その1
2023/1/29 C/2022 E3(ZTF彗星)〜その2

まもなく八塔寺

fig1

八塔寺へののぼり坂にさしかかると、一気に雪が増え、日陰になるあたりはしっかり凍結!
幸い、6年経過したスタッドレスでもしっかりグリップして昇ってこれました。


いつもの観測広場

fig2

もしかして・・・と思いつつ、無事いつもの広場に到着すると
やっぱり、一面雪!

どうする?ここで展開するの?
一瞬帰ろうかという思いが頭によぎりましたが、 SNSで遠征を宣言した手前、簡単には帰れません。

ただ、この雪の下は”砂利”三脚設置のために雪を掘るにしても、砂利だと何かと面倒・・・

「そうだ、ふるさと館へ移動しよう」

アスファルトの駐車場がある「八塔寺ふるさと館」へ向かうことにしました。


ふるさと館の駐車場で機材を展開

fig3

ふるさと館の駐車場も当然しっかり雪がありました。積雪は10cm以上だったと思います。
アジャスターがアスファルトに設置するまで、 雪を掘って設置しました。


fig4

機材の設置を終えて、撮影中です。


fig5

一面雪で、靴や地面においた機材箱が濡れるかな?と心配しましたが、しっかり マイナス気温で雪はさらさら で問題なかったです。


fig6

明け方になり、さそり座が昇ってきました。
さて、撤収します。


fig7

機材はしっかり凍り付きました


fig8

鏡筒を金巻したMT-200の方は、ε-180EDに比べると鏡筒の凍り付きが軽微です。


fig9

純正塗装のε-180ED(左)と金巻き「エマージェンシーシート巻き」宇宙望遠鏡仕様のMT-200(右)の凍り付き状態勝負!

明らかに金巻きの方が軽微です。

どちらも鏡面は曇りや凍り付きはなかったです。
MT-200は再メッキ前は高頻度で曇っていましたので、再メッキ効果があったと思われます。
さらに、金巻きもその効果を後押ししてるのだと信じてます。


fig10

雪の中での天体観測は、大学時代、 1992年12月に愛知-岐阜-長野にまたがる三国山山頂で経験して以来、実に30年ぶりでした。


fig11

東の空が明るくなってきました。


fig12

一晩、ふるさと館駐車場を独占できました。


fig13

星見の時に便利な、降霜防止のシェード。
これがあれば、フロントガラスが凍らないので、暖房を効かせて霜取りしなくても、すぐに出発できます。


fig14

機材、積み込み完了!
さて、帰りますが、下りで凍結路なので、慎重に、しんちょうに、と言い聞かせて出発。


fig15

いつも観測に使っている広場まで下ってきました。
広場に残るタイヤ跡は、私が付けたものですね。


fig16

八塔寺からの下り坂は滑ることなく無事に走り終えて、兵庫県側まで戻ってきました。
この峠は、ツルツルのアイスバーン状態、(2016年12月購入の)6年経過したスタッドレスですが、それでもしっかり食いついてくれました。

誰かが作った雪だるまと朝日のコラボです。


fig17

事故なく、無事に帰宅しました。
めったに雪が積もらない瀬戸内暮らしには、 積雪でテンションUP の星見でした。



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