主鏡洗浄(MT-200)

2018/5/4掲載
2021/10/11, 2021/11/27追記

反射望遠鏡は、鏡の反射率が重要。
そこで、定期的に洗浄して埃や汚れを除去して反射率を回復させてやることが大事です。
2017年秋に購入したMT-200について、そんなに汚れていたわけではないのですが時間があるうちにと、洗浄しました。
自分の忘備録もかねて洗浄手順を掲載します。

fig1

望遠鏡

fig2

セルを取り外します。

fig3

6か所の上の固定金具と横からの固定ボルトを緩めて、主鏡を外しました。
セルに綺麗にはまり込んでいるので取外しがやり難かった。
ひっくり返してミラーを傷つけるのは嫌なので、6か所の固定部の隙間に割り張りを突っ込んで、鏡をサイドから挟んで持ち上げました。実はひっくり返す方が安全だったかも。
セルの下にあるシートですが、このMTも熱変形してます。
おそらくセルと一緒にミラーを洗浄してドライヤーで乾かしたんでしょうね。
MT-160は自分でそうやってしまったので・・・わかります。

【2021/11/27追記】
タカハシのニュートン反射鏡筒のセルの場合は、セルセンターにあいている穴より主鏡裏面を押して鏡だけをセルから持ち上げることでセルから鏡を外すやり方が安全・確実です。

fig4

外したミラー、そんなに汚れていません。
センターマークは前オーナーが油性マジックペンで手書きしたようです。

fig5

さて、洗浄開始。
まずは、水をかけて表面のゴミを落とします。
この作業で水の流れだけで落とします。
私の洗浄方法は、鏡面には絶対触りません。

fig6

鏡が濡れた状態で、ティッシュペーパーを敷き詰めます。

fig7

その上から食器用中性洗剤をたっぷりかけます。
汚れがひどい時はエタノールをかける場合もあり。
そのまま10分ほど放置します。

fig8

ティッシュを取って、この後水で洗い流します。
今回は、油性マジックのセンターマークが消えるまで複数回この作業をやりました。

【2021/10/11,2021/11/27追記】
汚れがひどく、次の乾燥工程後にも鏡面に汚れが残っている場合ですが、もう一度しっかりと水で流して表面のほこりを落とした後、中性洗剤をつけて、指の腹部分でなでるように洗います。指と鏡の間に洗剤の層ができて鏡に対して指がなめらかに滑る感触を感じながら丸を描くように優しくなでる感じです。
(以前は、上記のように鏡面には絶対触らない洗浄方法をとっておりましたが、ネットで指の腹洗いが紹介されていたので試してみたところ、鏡面に傷がつくことはなく落ちにくい汚れを落とすことができました。)

fig9

鏡を立ててエアダスターで水滴を飛ばして乾かします。
ここが難しく、水滴が残ったまま乾かすとシミができます。
シミが残らないよう、うまく水滴を飛ばして下さい。

【2021/11/27追記】
水滴が残っている段階で、ブロアーを使って水滴を鏡面の外へ追いやる形です。もし水滴跡が残ってしまったらもう一度水洗いの工程に戻ってやり直しますが、水滴跡が微小な時は無水エタノールをかけて、埃のついていないティッシュペーパーで軽くアルコールをおさえて吸湿し、その後ブロアで表面に残るアルコールを飛ばすこともあります。
私自身の経験および先人達の実験で、この程度のエタノールの使用では鏡面のアルミメッキにダメージは生じないようです。


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