2023/1/20 C/2022 E3(ZTF彗星)

天文ガイド2023年4月号に入選
うしかい座/彗星

C/2022 E3-2023/1/20
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写真データ

撮影日,撮影時間,月齢,撮影地: 2023/1/20, 4:03:40〜, 27.37@4:03,八塔寺
露出時間: UVIR:120sec×17コマ
[総露出時間:0h34m00s]
ISO感度: 1250
機材: タカハシEM200T2M
タカハシε180ED(500mm F2.8)
Canon EOS 6D(HKC),バーダーUV/IR-cut,BYE使用(素子温度:3〜5℃)
タカハシFC-65(ガイド鏡)+QHY5LⅡM+PHD2
撮影地: 岡山県備前市吉永町(八塔寺)
その他: PixInsight,PhotoShop,FlatAidePro,NoiseXT
コメント:

2023/1/13に近日点を通過し、2/2の近地点に向けて地球に近づき中です。彗星の位置はかんむり座から、うしかい座に移り移動速度も早くなってきました。
前回(12/24早朝)のデータは恒星基準でスタックしましたが、今回は彗星と恒星の両止めという手間のかかる処理をしてみました。
PixInsightのCometAlignmentで彗星核で位置合わせしたスタック画像(Medianで恒星消し)と恒星で位置合わせしPIのCometAlignmentで彗星を消した画像を合わせてます。
24分の露光しか稼げなかったのでどれくらいテイルがでるか不安があったのですが、画像処理を駆使して淡いイオンテイルを炙りだすことが出来て良かったです。 イオンテイルが複雑な形になっていて面白いです。SNSで得た情報ではテイルは10度を超えているようで、f=500mmにEOS 6Dのフルサイズ撮影では完全にテイルがはみ出してます。

天文ガイド2023年4月号入選(2023/3/4追記)

このZTF彗星は2022/12/24から追いかけ始め、計4回遠征し5作品を仕上げました。そのうち、4回を天文ガイドへ、1回を星ナビへ投稿しました。
結果、2回目の遠征のこちらの作品が天文ガイド2023年4月号のZTF彗星特集コーナーに採用してもらえました。

天文ガイドは年間購読しているので、おまけでついてくる電子版が発売日当日に閲覧可能になります。以前は深夜0時になったらすぐに見られたのですが、最近は若干遅いようで0時数分過ぎに見た時は最新号見られませんでした。 翌日の仕事に差支えないよう就寝し、朝4時起床と共にスマホで電子版の天文ガイドを確認しました。

目次を見ると予想通り今月号ではZTF彗星の読者の写真ギャラリーが通常の読者の写真ギャラリーとは別に設けられていました。
まずはZTF彗星の読者の写真ギャラリーのページをオープン。スマホだと表示は1ページづつです。トップは台湾で撮影された作品で、『うーむ見事』です。
はやる気持ちを押さえつつ、ページをめくると・・ ”おっ!、あったかも” 見たことあるような写真が眼に飛び込んできました。名前を見て自分の作品であることを確認できました。

投稿した写真が掲載される可能性がある号が発売された時は、毎度まいど雑誌を開くのはドキドキします。採用された時は、このようにうれしいものですが、そうでない時は、”えっ見落としたかも・・・”と3回くらいページをめくり直して、やっぱり無い!と落胆しますね。
今月はうれしいスタートを切れました( 実はうれしい事がもう一つ)。

【補足】
天文ガイドに掲載された撮影データに間違いがあります。
・誤)露出120秒×17コマ(総露出24分)
・正)露出120秒×17コマ(総露出34分)
間違いの原因は、私が出したデータシートの記載ミスです。簡単な掛け算が出来ないほど頭が老いぼれてきたのかも

撮影時の記録

2023/1/19〜20

fig1

1/20(金)は新月期恒例の休暇をもらいました。1/19(木)仕事がなかなか片付かず19時に会社を出て帰宅中。
駅のホームです。しっかり晴れていて一か月ぶりの八塔寺の空が待ち遠しい。ドキドキ心が高鳴ってました。


fig2

22時20分頃に八塔寺に到着しました。
いちおう星が見えていましたが、薄く雲が広がってモチベーションが上がらない天気でした。
赤道儀の三脚は出したのですが、一面雲が広がって北極星が見えず意気消沈して待機していたら、星仲間の1人がやってきてくれました。雲の中のぼっちは心細いですが仲間がいると待機する気力もわいてきます。
1時前まで車の中でうとうとしていたら、星仲間が「晴れてますよ」って声掛けしてくれました。


fig3

1時過ぎに雲が晴れてセッティングを開始しました。
最初は彗星ではなく「かたつむり星雲」を撮影し、3時半ごろから彗星モードへ移行、εからエクステンダーを取外してf=500mmにし4時過ぎより彗星撮影を開始しました。
薄明が始まる5時半まで1時間以上の露光を稼ぐ予定だったのですが、4時半には雲が広がってきて、34分露光で撮影を終えました。



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