2022/9/19導入 2023/1/9掲載
オートコリメータやセンタリングアイピース&サイトチューブなど眼で覗いて光軸調整をする場合はセンターマークや鏡面を照らす必要があります。これまでは鏡筒内を懐中電動で照らして作業していましたが、懐中電灯は指向性が強いため、センターマークを見えやすく照らすには調整が必要でした。また調整時に横向きにした鏡筒内に懐中電灯を置いたことを忘れて、鏡筒を立ててしまいそう(重力で主鏡へ懐中電灯が接触しそう)になったこともありました。面発光する明るく取り扱い易い光源がないかと考えてみたところ、フラット板として用いられるLEDトレース板が使いやすいのではないかと気づき導入しました。 結果、鏡面、センターマーク共に非常に見えやすく、薄さ&軽さの面でも取り扱いしやすい便利な光源でした。今後も光軸調整で活用していきたいとおみます。
フラット光源はEL板で事足りているのですが、どうせ導入するならフラット光源にも使えそうなものにしようと情報収集しました。
結果見つけたのはこちらです。
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GAOMON A3サイズLEDトレース台 GA3
開封してみると、「LEDトレース台本体」「説明書」「電源用USBケーブル」が入っていました。
電源のUSB端子はmicro USB Type-Bでした。ケーブルはフラットケーブルです。
トレース台の外観です。
(保護フィルムは剥がしていません)
スイッチは左上で、物理スイッチではなくタッチスイッチです。
1回触ると点灯し、もう1回触ると消灯します。
無段階調光機能があります。操作方法は、点灯させた時にそのまま触っていると調光が始まりますので、任意の明るさになったら手を離すやり方です。
点灯、消灯はスムーズ操作できますが、調光操作は少しやりにくい印象ですね。これは押しっぱなしで調光する方法に対して一般的に言えることで、この製品が特別操作しにくいという感じではありません。
早速、光軸調整に使ってみました。
このように筒先前に立てて、筒内を照らすようにして設定しました。
引いて見るとこんな感じです。
LEDトレース台は、高さの調整のためのプラボックスの上に置き、後ろに置いた椅子に立てかける形で設定しました。
光軸調整ではこのように、鏡筒を横向きにし且つ接眼部も横向きになるようにして作業するのが良いです。
この状態であれば、斜鏡調整用の工具を主鏡面に落下させることもないし、接眼部のツール(オートコリメータなど)を斜鏡面に落下させることもありません。
天文界では、これまえ数多くの悲しい落下事件があります。私も知っておきながら自分だけは大丈夫と思って
落下事件を起こしてしまったことがありますので、同じような悲しい事故を断ち切るために強く宣伝しておきます。
LEDトレース板で照らされた鏡筒です。
オートコリメータで覗いた状態です。
センターマークや鏡面はとても見やすくて作業しやすかったです。
ニュートン鏡筒での光軸調整において、斜鏡外径とサイトチューブ(センタリングチューブ:CT)やドローチューブ内径との同芯状態を確認したいことがあります。
ただ、斜鏡外径やサイトチューブ内径はどちらも黒っぽく見えにくいことが難点です。
そのような場合に有効な方法です。
この写真に示すように接眼部に正体する鏡筒内面を懐中電灯で照らします。
センタリングアイピースより覗くとこのように、CTチューブ内径と斜鏡外径の隙間が明るくなり、両者の同芯状態が分かりやすくなります。