汎用モータドライブ NS-5000
〜タカハシNJPに搭載〜

2022/8/19掲載


はじめに

NS-5000_fig_1

2018年1月に導入したタカハシ NJPは純正の2軸モータドライブPD-5XYが付属していましたが、自動導入やオートガイドには対応していません。しかしこういった古い赤道儀でも汎用モータドライブを搭載することで、自動導入やオートガイド対応にすることができます。
NJPは元々外付けのモータドライブを搭載するよう作られた赤道儀で、汎用モータドライブの取り付けも容易です。実はNJP購入前からNS-5000にターゲットを絞り込んで疑問点を調べており、20018/1/27に注文をしました。

注文時に納期は4週間との回答だったのですが、納品されたのは半年以上経過した2018/7/31と非常に長い待ちでした。

NS-5000の私の使い方は、NS企画 NS-5000の使い方で説明しています。


仕様

私が購入した仕様を以下の表に示します。簡単に言えばフル装備にしたということです。

項目補足金額
DOG NS-5000PKP264A2NJP ギア仕様  Ver6.30NS-5000本体(基本部分)\158,000
オートガイダー入力端子 LX200互換モジュラージャックオートガイダーの端子
ASCOM接続で使用しているため、使用したことなしです。
\2,000
マイクロステップ切替スイッチ マイクロステップ駆動(1/2,1/4,1/8,1/16)を設定します。通常は1/16、低振動化に効果があります。
設定を切り替えたことは一度もありませんが、このオプションを付けないとマイクロステップ駆動になりませんので選びました。
\4,300
赤経カレントダウン調整ボリューム恒星時追尾のトルクを調整できます。低振動化に効果があります。\4,000
NJP用 金属コネクタ モータ接続ケーブル 耐寒、耐候性、柔軟ケーブル
マイナス10℃でも硬くなることは無くいい感じです。
\6,500
NS5000用 LEDハンドボックス オートガイドの様子がLEDの点滅で分かります。実際はほぼ見ていません(^^;
LED無しのハンドボックスは\3,000とのことでした。
\8,600
Bluetooth パソコンやタブレットなどとNS-5000をBluetoothで接続できます。
応答遅れもなく快適に使用できています。おススメ
\10,000
合計\193,400

仕様を決める上で一番悩んだのはベルト駆動にするかギア駆動にするかです。
私のNJPは非NV型でウォームギアの軸受けにベアリングが使われておらずグリース潤滑の滑り軸受けです。 気にしすぎかなと思いますが、ベルトドライブにするとモータ〜ウォームギア間には常にテンション(引っ張り力)が作用した状態になります。 そうすると滑り軸受け部のグリースが押し出されてしまうことを心配して、ギア駆動を選択しました。

外観と内部の説明

〜操作部・端子類〜

NS-5000_fig2

前面パネル

操作部は前面に集中しています。
電源スイッチを入れるとその上にある赤LEDが点灯します。明るすぎずまぶしくないです。
赤経カレント調整は、モータの音を聞きながら調整します。半時計周りに回してモータ駆動音が聞こえなくなるのを確認し、その状態から時計周りに少しづつ回してモータの駆動音が聞こえたところから+ちょい時計周りに回して調整を終えます


NS-5000_fig3

背面パネル

背面は接続端子のみです。


〜本体内部〜

NS-5000_fig4

本体内部は上面のアルミ蓋を外すと確認することができます。左が前面パネル、右が背面パネルです。

私は電源のプラスとマイナスを逆に接続してしまって、ヒューズが切れた時に開けました。
ヒューズの位置は、この写真で右手前側です。ミニガラス管ヒューズ(250V, 5A)です。

左上奥にあるUSB機器はBlueToothの送受信機だと思います。


〜アルミ蓋の取り外し〜

NS-5000_fig5

アルミ蓋の取り外す時は、前面パネル上段の①と②および背面パネル上段の⑤と⑥のネジを外した上で、前面パネル下段の③と④および背面パネル下段の⑦と⑧下段ねじを少し緩めます。
この状態でアルミ蓋の両サイドを持って上に持ち上げると外すことができます。


NS-5000_fig6

これがアルミの上蓋を外した状態です。上蓋はL字形状になっており、ねじを外せば上にスライドして外すことができます。


到着〜取付&試運転の記録

2018年納品当時の記録写真を掲載しておきます。

〜開梱作業・内容物の紹介〜

NS-500_1st_fig1

半年超待ち焦がれた荷物が届いたのは2018/7/31でした。
発送されたのは7/28だったのですが、運送会社で航空便が禁止されたことで、北海道から船便が使われて到着が遅れました。
リチウムイオン電池は入っていないと書かれていたのですが、なぜ航空便禁止になったのかは謎です。


NS-5000_1st_fig2 NS-5000_1st_fig3

本体およびハンドコントローラとモータおよびギア類の2つに分けて、丁寧に梱包されていました。


NS-5000_1st_fig4 NS-5000_1st_fig5
NS-5000_1st_fig6

内容物は以下の通り

・NS-5000本体
・ハンドコントローラ(ケーブル付き)
・モータ接続ケーブル(Dサブコネクタが付いたケーブル)
・DC電源ケーブル


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赤経と赤緯のギアおよびカバーです。カバーは綺麗に塗装されていました。


NS-5000_1st_fig9 NS-5000_1st_fig10

カバーは板金ではなくアルミの削り出しです。手が込んだ作りです。


〜NJP赤道儀への取付〜

NS-5000_1st_fig11

取付マニュアルを熟読した上で作業しました。

NJPは元々外付けモータ対応の仕様であることと、送られてきたモータ取付金具類の出来栄えが良いことで、取付は簡単にできました。

ギアは中間のフリーギアを介して2段で減速されています。モータの歯面にモリブデン入りグリスを少し塗布して取り付けました。バックラッシ調整は取付ベースを長穴でずらせる機構で行なえます。ギアを軽く押し付けて固定ねじを締めればうまく取付られました。

この状態で試運転してみましたが、ハンドコントローラでの早送り操作は赤経、赤緯共にスムーズに動きました。


NS-5000_1st_fig12

これがギアカバーまで取り付けた状態です。
カバーの色はNJPと違和感なく、綺麗にまとまってくれて満足しています。


〜ちょっとした不具合〜

NS-5000_1st_fig13

ギアカバーなしで試運転していた時にちょっとしたトラブルに合いました。
ハンドコントローラで早送りの正/逆回転を繰り返していたら、中間のギアがポロっと落下してしまいました。
左側の写真が落下した後の写真、右側は落下した中間ギアの写真です。


NS-5000_1st_fig14

折れたか?とかなり焦りましたがよく見てみると固定用のセンターのネジが外れただけでした。
自分でねじを締めて再組立てしてみたら復旧できました。
ただ、回転が若干渋かったので、この後、返送して手直ししてもらいました。



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