QHY5LII電子極軸望遠鏡用取り付け治具

2018/2/10-2/17製作

赤道儀の極軸調整にも電子化の波が押し寄せています。
Webで情報収集すると、非常に精度よく楽に合わせられるとの触れ込みが多数。
一度試してみたいと思っていましたがQHYのPolemasterは3万円を超える価格で、極軸調整だけの機能にそこまで投資できないなぁと二の足を踏んでおりました。
ある日、いつも通りwebで情報収集していたところ、フリーのSharpCapというソフトで、北極星を同定するPolar Alignmentという極軸調整機能があるらしい。 試してみたところ、QHY5LIIに35mmのCマウントレンズをつけるやり方で、十分使えそうです。
この機能、QHYのPolemasterも同じですが、望遠鏡の極軸上にカメラを取り付けることは必須ではありません。天の北極にカメラを向けて、赤経体を回転させて、カメラを極軸中心に回転できればいいのです。
ただ、使い勝手を考えると、極軸上に取り付けられた方が、楽そうかなと思い、この治具を製作してみました。

【材料】

31.7mm接眼アダプタ(ビクセン31.7-63.4アダプタ)

タカハシ極望キャップ

接眼アダプタはどこのものでもいいですが、ネジ1本固定がいいです。できるだけ安くということで選びました(\1,000くらい)。あまり短いとUSBケーブル取り出しが難しくなります。
キャップはスターベース東京にて購入。\300でした。
fig1

USBケーブル(巻取方式)

ネットで購入、\600くらいでした。
後述しておりますが、QHY5LIIはUSBケーブルが背面にあるため、ケーブルの取り出しに工夫が必要です。
屈曲しやすいケーブルとして巻取方式を選びました。B端子がついた巻取ケーブルはかなり貴重、サンワサプライにてようやく見つけました。
fig2

2液式エポキシ接着剤

手持ちのものを使いました。
肉盛り接着ができる方が丈夫です。最初、プラリペアを考えましたが、値段が高いので止めました。
もし剥がれたら付け直せばいいので・・・

【製作工程】

fig3 この取り付け治具はNJP用の明視野照明をつけるためにも使用するため、極軸キャップに穴をあけます。
fig4
fig5
fig6
fig7
このように穴をたくさんあけていき、大きな穴にします。
その後、凹凸をやすりなどで仕上げます。私は手持ちのリュータ刃をドリルについて仕上げました。
fig8
fig9
31.7接眼アダプタ側面にUSBケーブル取り出し用の切込みを入れるため、ドリルで穴あけ。
穴を複数開けて、やすりやリュータで広げます。
fig10 棒やすりで綺麗に仕上げて、穴あきキャップとスリット入り接眼アダプタができました。
fig11
fig12
あとは、エポキシ接着剤で二つをこのように接着します。
これで、完成。
先に述べたように、望遠鏡の極軸との同芯性はある程度でいいので、見た目に同芯になる程度の位置決めでOKです。
fig13 赤道儀へ取り付けしてみます。
このように、取り付け治具を赤道儀(今回はNJP)の極軸望遠鏡キャップ取り付けネジへねじ込みます。
fig14 QHY5LIIへは、巻き取り式のUSBケーブルを取り付け。
このケーブルは非常に屈曲性が良いことがポイントです。
fig15 このように、QHY5LIIへCマウントレンズをつけて、今回製作した取り付け治具へ挿入します。
USBケーブルは、スリットから外へ取り出します。
fig16 全体像はこんな感じです。

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