ニュートン反射にフードが必要なのだろうかと疑問に思っていましたが、webで見ても、観測地で見かけてもフードなしの望遠鏡を見かけることがない・・
これは、きっと、有用なのに違いないと考えて、フードを使ってみることにしました。
良い市販品があれば、買ってすませようといろいろ探しましたが、ε-180に合いそうなものは巻きフードしか見つかりませんでした。
巻きフードだと、どうも頼りない感じがして踏み切れず、自作してみることにしました。
で、調べてみると。
皆さんが自作されている材料は、大きくわけて以下の3つのようです。
さて、その後もネットで調べてみると巻き段ボールや紙素材で、遮光環付きのフードを作ったとの記事をいくつか発見。
見るからに魅力的です。
遮光環をつけることで、真円に作りやすいことや強度UPの効果もあるらしい。
というわけで、巻き段ボールフードを遮光環付きで作ることに決めました。
問題は、どうやって遮光環を取り付けるのか?ということ、しばらく悩んでいましたが、以下の記事を読んで、これは良さそうだとマネしてみることにしました。
参考にさせていただいた記事です→
FSQ85ED(Baby-Q)用、段ボールフードの作成
フードの寸法は、イメージサークルがε-180EDのφ44以上になるように計算してみました。 ・遮光環内径:φ270mm ・フード長:筒先から300mm これで、イメージサークル端で、フードによるケラレはない計算です。 計算に使ったエクセルファイルはこちら⇒計算に使ったエクセルファイル
巻き段ボール 楽天市場で買いました。1,100円でした。 |
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工作用紙 黒い厚紙が良かったのですが、近所の文具店では薄いものしか見当たらず、植毛紙を貼るのでまぁいいかと思って、白い工作用紙にしました。 |
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コンパスカッター この入手に手間取りました。
【追記:2022/2/19】 |
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フェルト 用途は後程、結構重要だと思います。 |
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植毛紙(貼れる布) フード内の遮光に使います。 |
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両面テープ フェルトの貼りつけに使用。 |
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スプレーのり これの方が両面テープより強固に接着できるかなと思って、巻きダンボールの貼り合わせに使用しました。 |
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接着剤 ・コニシ ボンド Gクリア:速乾性で乾くと透明です。遮光環の固定に使いました。 |
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アルミテープ フードの外周に貼って、防水します。 |
写真なし |
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さて、製作開始です。 ε-180EDのフードをはめる部分にフェルトを巻いて、その上から両面テープを貼って固定します。 これは、参考にさせてもらったサイトに書いてあったやり方ですが、やってみてとても良いアイデアだと思いました。 このフェルトのおかげで、望遠鏡へのフードの着脱がスムーズにできます。 |
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フェルトの上に巻く段ボールを切断しました。 ε-180EDは鏡筒の口元のリングが50mm幅、その幅より若干突き出すようにと思って、100mm幅に切断しました。 |
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切断した段ボールをフェルトの上に巻きつけます。 凹凸がある面が外側になるようにして、両面テープの剥離紙をはがしてから巻きつけて、フェルトに接着します。 この時に望遠鏡の主鏡側にフェルトを15mm程はみ出させて接着します。 |
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はみ出させたフェルトにハサミで切込みを入れて、スプレーのりを吹き付けてから段ボール側へ折り返します。 望遠鏡につけたまま作業するので、中にゴミが入らないように蓋を載せて、スプレーのりが望遠鏡につかないよう、保護の段ボールを鏡筒側面にセロハンテープで固定しておきます。 |
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写真はありませんが、スプレーのりを塗って、巻段ボールを上に重ねて接着する作業を繰り返して、外径がφ300mm程度になるまで繰り返します。 一番外側だけ、段ボールの凹凸を逆にして張り付けて巻きつけは完了です。 あと、望遠鏡に嵌める際のストッパにするために、内側に10mm幅の巻段ボールを貼りつけました。 これで、フードのベース部が完成です。 |
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ベース部だけ望遠鏡に取り付けてみました。 内側にフェルトがあるおかげで、望遠鏡への着脱の滑りが良く、適度な抵抗があってスムーズ且つ、カチッと固定できます。 内側に貼りつけたストッパもいい感じでした。 |
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次は、遮光環を作ります。。
購入したカッター、グリップ部が手で持ちやすいように凹凸があって、クリップカッターでは座りが悪い。
中をくり抜くのは、植毛紙(貼れる布)を貼ってから |
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遮光環の外周を墨汁で黒く着色。
この着色作業、少し失敗して、最初は外周だけでなく全面を塗ってしまった結果、紙がふやけて伸びてしまいました。 |
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外周部には隙間をあけて、貼れる布を裏表に貼りつけ(・・・写真撮り忘れましたが、後で内径を切断するので、内側方向へは切断幅よりはみ出す形で貼りつけします。この写真は、内径を切断した後です。) 内径をφ270mmで切断して、遮光環完成です。13枚作りました。 貼れる布を貼った後で切断するのは、内径をシャープに仕上げるため 切断面には墨汁を塗って黒く仕上げました。 |
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フードのメイン部分です。 巻きダンボールを幅300mm(購入したまま)、長さはφ301に巻ける長さ(約950mm+余分)に切断し、凹凸がある側を墨汁で黒くします。 端の方は、仕上がり後に先ほど製作したフードベース部に差し込むため、塗る必要はありません。 |
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黒く塗った巻段ボールの凹凸がある側に、カッターで切込みを入れます。 (手順としては、切込みを入れてから、墨汁で黒塗りする順番です。) この切込みは遮光環を嵌める溝になります。 20mmピッチで切込みを入れました。 ただし、先端側(端)は、端から5mmの位置に切込みを入れたので、そこだけ隣の溝とは15mmピッチになりました。 |
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やっと遮光環の取り付け 13枚の遮光環を取り付ける必要があるので、コニシボンドのGクリア(接着剤)を使って、遮光環を巻段ボールの溝に少しづつ固定しながら進めます。 Gクリアを巻きダンボールに入れた切込み(溝部)に塗って、そこに遮光環をはめ込んでしばらく待つ。 およそ100mmくらいの範囲を接着して13枚すべてを固定し終えました。 |
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およそ100mmくらいの範囲を接着して13枚すべてを固定し終えました。 |
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あとは、繰り返し、溝部に接着剤を塗って、遮光環へ巻段ボールを少しづつ巻きつけていきます。 Gクリアを溝部に爪楊枝をつかって塗り付けて固定。ただし溝すべてに塗る必要はなく、ある程度の範囲のみ接着すればOK 巻きつけた後で、接着していない部分には、瞬間接着剤ゼリータイプを流し込んで固めました。 |
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あと少し、かなりしっかりしてきました。 一番右から二枚目の遮光環を見ていただくと、他のものに比べて波打っているのがわかると思います。 これが墨汁の塗りすぎでふやけて紙が伸びてしまった結果です。 最終巻きつけを完了したら、それなりに収まりましたが、他のところより若干テーパ状になってしまいました。 |
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巻きつけ完了です。 段ボールは1重しか巻いていませんが、十分な強度がありました。 これで完成でもいいくらいですが、この後でもう1重だけ補強のため巻きつけています(後述)。 |
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遮光環の間は墨汁で黒くなっていますが、せっかくなのでそこにも貼れる布を貼ることにしました。 このように短冊状に切って、貼っていきます。 |
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先に作っておいたベース部に接続する前に、ベース部内面の遮光をします。 貼れる布を細かく切断して |
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ストッパの段ボールに貼りつけていきます。 この写真で、手前がフェルトです。 貼れる布の方がかなり黒い感じでGood。 |
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ストッパより先端側から端面にまで貼れる布を貼りつけました。 端面側は、遮光環の一部になるので、その外側まではみ出せてあります。 |
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遮光環を付けたフードのメイン部分をベース部に接続しました。 接続ではGクリア(接着剤)をベース部の側面に塗り付けて、所定の位置まで差し込む形です。 ベース部が100mm幅で、望遠鏡に50mmさしこまれるので、ベース部とメイン部分(幅300mm)は、50mm重ねました。 これで望遠鏡先端からフード先端までが300mm突き出た形になります。 メイン部分には補強のため、巻段ボールをもう一枚巻きつけて二重にしました。この固定には、スプレーのりを使ってます。 |
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次は、防水のため、アルミテープを外周に貼りつけます。 まず望遠鏡への接続側(ベース部)の端からです。20mm程はみ出させてアルミテープを貼りつけます。 |
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アルミテープに切込みを入れて折り返します。 |
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外周全部にアルミテープを貼りつけて、フード先端側も端面を同様に仕上げました。 |
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一応これで使える形ですが、後は見た目を整えます。 黒画用紙を丸く切って |
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望遠鏡に差し込む側の端面に貼り付け。 |
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先端側の端面にも黒画用紙を貼ろうと円環に切断しましたが、貼れる布と比べるとどうも白っぽい。 そこで、先端側は貼れる布を貼りることにしました。 90度の円弧環に切断して |
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貼り付けて、完成です。 |
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望遠鏡へ取り付けてみました。 フェルトを付けた接続部とストッパがとてもいい感じでしっくりはまります。 |
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少し斜めから・・・この角度、いいね。 |
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中はこんな感じです。 |