固定撮影(2005.11.17)
天体写真を撮る中で一番手軽にできるのが固定撮影です。
バルブ(B)機能のあるカメラとレンズ、レリーズなどシャッターを開けっ放しにできるものと三脚があればOKです。(フィルムを忘れずに)
バルブ機能、レリーズについては「カメラの知識」のページを見てください。

上が三脚、下が左よりフィルム、レリーズ、カメラです。
固定撮影ではどんな写真がとれるのか
中学生用の理科の教科書に載っていたような、星が曲線を描いたような写真になります。
もちろん、露出時間が長ければ長いほど長い曲線になり、露出時間が短ければ曲線も短くなります。
一般的に固定撮影は望遠レンズではなく、広角レンズを使い、地上物(山や建物やら)を入れて撮影することが多いと思います。
人それぞれですが、僕はいかに地上物のロケーションがいいか、が固定撮影の良し悪しを分けるポイントだと思っています。
なので、僕はどんなロケーションでどの星をどれほど流すか(曲線の長さをどれほどにするか)を決めるとき、大体地上物を優先して決めてしまいます。
それほど、地上物は重要だと考えています。まぁ、やはり考えは人それぞれでしょうが。
とはいっても、星を中心に撮る訳ですから、写真を見ると地上物が殆どを占めている、という写真はどうかと思います。

地上物と星の兼ね合いが綺麗な写真を作るのでは?(明るいのは黄道光が入っているからです。)
三脚の重要性
固定撮影では三脚を使うのですが、三脚も物を選ぶ必要があります。
というのも、長い時間シャッターを開けているため、軽い三脚やガタついている三脚を使うと、風が吹いたときに揺れてしまうのです。
これでは、綺麗な星の線もだいなし。ガタガタの線になってしまいます。
高い三脚が必要というわけではないですが、丈夫な物を選びましょう。間違ってもコンパクトデジカメ用の三脚などは選ばないよう。
固定撮影の等級限界
周辺減光を避けるため、光害を減らすため、絞りを絞って撮影することもあります。しかし、絞る(レンズの有効径を小さくする)と、固定撮影で撮る事のできる星の等級も下がります。
まぁ、簡単なことで、光の取り込み口が小さくなれば、暗い星は写らないってことです。
ISOが高いフィルムを使う、明るい(F値の小さい)レンズを使うことで、より暗い星を写すことができるようになりますが、前述の通り(「カメラの知識」ページを参考)ISOが高ければそれだけ荒い写真になりますし、明るいレンズは値段が張るという問題があります。
どの程度絞るとどのくらいの星まで写るのかは「天文年鑑」や天文関連の書籍に載っていると思うので、調べてみるのがいいでしょう。
ただ、データで見るより、実際に撮影してみてどの時間でどの程度?という感じをつかんで見るのもひとつの手です。こちらのほうが感じをつかめると思うのでおすすめです。
構図の決め方
カメラのファインダーを覗くと分かると思いますが、星空を見ても目で見るように何処に星があるのか分からないと思います。
これは、ファインダーが暗いのと、ファインダーの倍率が低い為で、仕方の無いことです。(一部天体写真用に特注で作られたカメラやファインダー交換をしたカメラなど、例外はありますが。)
地上物の位置などを頼りにどの程度の範囲が写るか検討とつけ、構図を決めるといいでしょう。
構図の決め方は人それぞれでしょうが、極端に地上物の写っている面積が多い写真や、全く地上物が写っていない写真は避けたほうが良いでしょう。
また、何か特別に意図しない限り、地上面と平行な構図で撮ります。
使用するレンズ
やはり、明るい広角レンズがあると便利だと思います。でも高いですよねぇ。
固定撮影で望遠レンズはあまり使用しません。標準レンズ以下、主に広角レンズを使って撮影します。
因みに、僕が持っているレンズは28mmのF3.5、50mmのF1.4です。
ほとんどが28mmレンズを開放で、ISO400のフィルムを使って撮っています。
28mmでF1.4のレンズがあれば最適でしょうね。
デジタルカメラ(デジタル一眼カメラなど)での問題点
数年前まで100万円を超えて手が出なかったデジタル一眼カメラですが、最近は安価なモデルが続々と販売されるようになり、数万円で買えるようになりました。
デジタル一眼カメラでもバルブ機能が付いているので、気軽に固定撮影ができるようになりました。
もしかしたら、コンパクトデジカメでもバルブ機能が付いている物があるのかもしれません。(僕はCanonのIXYの15秒露出が最高と記憶していますが。)
しかし、デジタルカメラは普通のフィルムカメラ(銀塩カメラ)と違い、CCDやCMOSにより画像を得ています。
CCDやCMOSに電気を流し続けると、熱を帯び、それがノイズとなって画像に現れます。いわゆる「熱ノイズ」です。
デジカメ側に「ノイズリダクション」や「ダークリダクション」など、ノイズを軽減する機能がついていますが、これを用いても限界があります。
(ちなみに、デジカメのリダクション機能は写真を撮り終えた直後に自動でシャッター幕を閉じたまま同じ時間だけもう一度写真を撮り、前の写真と比べてノイズを判断し、ノイズを引いています。)
長い時間が必要な固定撮影では、デジカメは余り向いていないでしょう。NikonD70で試したところ、外気の温度、撮影回数により変化しますが、4分が限界のようです。
ダーク処理用ソフトを使って後でノイズを引くという手もあります。しかし、それでも限度があるでしょう。(長い時間での露出からダーク処理をしたことがないので、どれくらい有効か分かりません)
デジタル一眼は後で合成できるので、ガイド撮影には問題なく使えるのですが、連続した線を出す固定撮影には向かないようです。

左上に赤く熱ノイズが載ってしまっています。その他にも、熱ノイズによって画像に点々のようなノイズもでます。
記録をとろう
固定撮影をする場合、簡単なメモ帳を持っていくことをお勧めします。(もちろん、筆記用具もね。)
写真を撮った場所、天気、絞り、露出時間、撮影対象をメモすることによって、その後できた写真をみて、絞りが適当だったか、露出時間は良かったかをチェックできます。
絞りすぎたなぁ、とおもったら、メモしてある絞りを元に絞りを調節してあげれば良いのです。
また、撮影場所(空の明るさ)によってどれほどの露出が限界なのか、がわかります。何回も写真を撮って、データを取って自分なりに考えてみるのが、一番早く良い写真が撮れるようになるコツだと思いますよ。
コンパクトカメラでは撮れないのか?
バルブ機能などがないコンパクトカメラでの固定撮影はかなり難しいです。
しかし、それなりに撮ることはできるようです。コンパクトカメラの中でも、十数秒の露出が可能なものが多いコンパクトデジタルカメラなどでは、もちろん長い曲線を描いての撮影はできないものの、点として写すことができるようです。他人がやっているのを見ていただけなので、それ以上のことがわからないのですが。
とりあえず、15秒程度までなら点として星が写るようですね。
星を点として写すには何秒が限界か、は誠文堂新光社発行の「天文年鑑」に載っています。参考にしてください。
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©vivo 真夜中の観測日記