NJP用ストレートシャフト


2018/10/27製作
2022/8/29更新(図面公開)

NJPのウエイトシャフトは純正では、ねじ棒です。
据え付け運用であれば、なんら問題ないのですが、ジプシー観測ではウエイトの 取付、取外に時間がかかり、 特に外す際は ウエイト落下の危険も伴います。
そのためか、タカハシも最終型のJP-Zではストレートシャフト化しており、NJP用のストレートも販売していました。
タカハシで販売していたものはもう在庫切れらしく(あっても高いです)、どこかで作ってもらえないか調べてみると、いつも利用させていただいているコスモ工房さんやほしぞら工房さんで製作販売していました。
そこそこ長尺ものなので当然ですが、 値段もそこそこ。

なんとか安くできないか調べていると、ミスミのリニアシャフトを見つけました。
とても良いものが出来たのでご紹介します。

製作品について

fig1

ミスミから届きました。


fig2

中身はこんな感じ。


fig3

まず、落下防止用の小径ローレットノブ(NOMC10-30)
外径30mm、厚さ10mm、センターはM10ネジです。


fig4

次にリニアシャフト(PSAGM25-600-F22-M20-T10-N10)
シャフト径はΦ25(にしました)、材質はS45Cの硬質クロムメッキ
これがなんと3,000円です。 安さに仰天です。
長さは欲張って600mmにしちゃいました。

【2022/8/29追記】
3年ほど使用しましたが、錆は発生していません。ただ、ウエイトの固定ピンで締められた部分は凹みます。凹むから滑らず固定されるので必要悪だと思ってます。

少し値段は上がりますが、ステンレスシャフトもありますよ。


fig5

落下防止のネジを付けるとジャストフィットです。
まるで、純正のような綺麗な組合せで 感動ものです。


fig6

シャフトを付けるベースです。
SUS304を使って、近所の工場で作ってもらいました。
とても良い出来栄えです。

製作していただいたのは、テクニカルワークさんです。


fig7

裏面。
このザグリは純正のシャフトにはありません。これがあると赤道儀への取り付けの安定度がUPします。

このザグリがこだわりポイント!
純正の上を行く機能美ですよ。


fig9

赤道儀取り付け前に並べてみました。


fig10

採寸、間違ってないかな、とドキドキしながらねじ込むと、吸い付くような感触でぴったりです。


fig11

次にシャフトと接続。
いい感じで一体になりました。


fig12

C15の面取りと入れておいてよかった。
美しい出来栄えに満足。


fig13

NJPに取り付けてみました。
長さはベース込みで約660mm。純正より約260mm延長です。


fig14

純正のねじ棒と比べるとこんなに違います。


fig13-2

【2022/8/29追記】
これ、ちょいと延長しすぎました。私の用途でシャフト端までウエイトを寄せることは無く、赤道儀周辺を移動する際にウエイトシャフトに接触しないよう気を使います。
使用しているウエイトはNJPの純正のネジ除去加工品(6kg強×2個)


〜純正より良く出来たと自己満足しているポイント〜

fig15

純正の取り付け部はこのようにフラット(ザグリなし)です。


fig16

しかし、相手の取り付け面はこのように黒い部分(約φ35程度)が出っ張っているんです。
フラットでは、せっかくφ60ある取り付け部なのにφ35程度しか当たりません。
今回は、φ38でザグリを入れましたので、φ60の面がしっかり当たってくれます。
重いウエイトを付けるのですから、その方が安心できます。


fig17

さて重さは、3.4kg
シャフト自体もウエイトになりますから、重いのは良いことです。


fig18

ベースは約1kgでした。


製作・購入の費用一覧

・ウエイトシャフトベース:テクニカルワークさんで製作
SUS304
7,560円
・ウエイトシャフト:ミスミで購入
(PSAGM25-600-F22-M20-T10-N10)
S45C硬質クロムメッキ
3,240円
・ウエイトシャフト:ミスミで購入
(NOMC10-30)
スチール(SUM23)クロムメッキ&バフ研磨
659円

今回、いつもお願いする天文関係の工作屋ではなく、近所の工場へ「ウエイトシャフトベース」の製作をお願いしました。
個人相手にしてもらえるのかドキドキしながら連絡して、結果はとても良いお付き合いをさせていただきました。
社長さんのブログにも掲載してもらってます。

製作図面

製作品は、ウエイトシャフトベースです。その図面をご紹介します。

fig19

ウエイトシャフトベース図面-A
↑こちらをクリックするとPDF形式の図面をダウンロードできます。



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