タカハシ NJP(二軸モータドライブ対応 中型赤道儀)


NJPは大学時代、サークルの備品であったものを使用しておりましたが、四字熟語で表すなら『質実剛健』
追尾精度、安定性は抜群ですが、難点は、組立性。
三脚への固定はM10ネジ3本、ウエイト軸はねじ込み式、ウエイトは台形ねじ式、極軸高さ出しに六角レンチが必要。
移動用途としては洗練されていない設計です。
だけど、再びNJPを使うことを夢見て、ヤフオクや中古情報を眺めておりました。
これまで何度か入札したこともありましたが、予算より高値になってしまい手にすることができませんでした。

2017年末に、懇意にしている天文ショップから「いい出物があるよ」との連絡があり、年があけて2018/1/13、私の手元にやってきました。

fig1

さて、手に入れたNJPですが、製造は1988年(ちょうど30年前)ですが、とにかく程度がいい。
まるで新品です。
しかも2017年夏にタカハシでオーバーホールをしてそのまま保管してあったということで、古さは問題にならなさそうです。

仕様ですが

  • 1988年製
  • J-S木製三脚
  • PD-5XY(2軸モータドライブ)
観望や月・惑星撮影用途であれば、このままでも問題ありませんが、やはり星雲・星団の直焦撮影でも使いたい。
そうすると、最低でもオートガイド対応に、できれば自動導入対応にしたいところです。
ちかいうちに、汎用モータドライブNS-5000を手に入れて、上記対応を実現する予定です。
fig2

さて、開梱の儀

今回入手した品々です。

fig3 三脚は使用したことがあるのだろうか?と思えるほど・・・極上品です。
fig4 赤道儀の箱を開けます。
2017年夏にタカハシでオーバーホールしたとのことなので、段ボール箱が新しいのはその時に新品箱に入れてくれたからだと思われます。
fig5 中板を取ると、クッション
厳重に守られてます。
fig6 ようやく赤道儀があらわれました。
fig7 こちらはウエイト関係。
台形ねじシャフトとウエイト3個が入ってます。
fig8 三脚、組み立て。
三角板は蝶ネジ固定式で、EM-200のワンタッチ押し込み式になれてると面倒だなとおもっちゃいます。
アイピース置き台がないところにも質実剛健さを感じる^^
fig9 赤道儀は、M10ネジ3本で固定する方式です。
fig10 こちらが赤道儀の裏。
裏からは1本ネジでとまってるようです。
fig11 三脚に載せて、ウエイトシャフトを付けました。
(奥に見える)EM-200より一回り大きいです。
fig12

ウエイト付けてみた。
6.5kgウエイトが3個ついていました。

ウエイトはすぐにストレートシャフトに変えたいと思っていましたが、昔使っていたNJPに比べてウエイトのねじ込みはスムーズ。
滑るように回っていきます。
いずれ交換しますが、当面はこれでもいいかなと思えました。

fig13 水準器ついてます。
fig14 さて、次、モータードライブです。
fig15 なつかしい(^^)
PD-5XYです。
fig16 こちらも、外観の程度は非常にいいです。
使用感が感じられない。
fig17 モータ取り付けました。
赤経、赤緯ともに問題なく動作しているようです。
fig18 赤経モータとギアです。
クラッチを切ることで、手動ハンドルでの微動も可能。
この機能は、自動導入化しても使いたいところですが、NS-5000ではクラッチつかないようです。
fig19 こちらは赤緯モータ
fig20 PD-5XYのコントローラ
外観はとてもきれいです。
fig21 時計表示機能もちゃんと動作しました。
昔使っていた時、このディスプレイってなんだろう?と思っていましたが、単なる時計です。
この時計、内部電池がないので、電源を入れた都度00:00から始まります。
スペック
形式2軸モータ外付け ドイツ式赤道儀
赤経微動ウォームホイール(減速比240:1)
赤緯微動ウォームホイール(減速比144:1)
傾斜角度25~48度
方位微動±5度
同架重量約30kg
重量24.5kg(ウエイト別)

NJPシリーズの歴史をメモ代わりに書いておきます。
(出展はwikipedia)
1. TS式システム160J赤道儀/J型 1977/12発売 これがNJPシリーズ最初期型になります。
2. TS式システム160P赤道儀/JP型 1979/7発売 J型に極軸望遠鏡を内蔵したもの。
一般にJPと呼ばれます。
3. NJP型赤道儀 1988/4発売 赤緯体をウエイト軸側まで直結にしてエンコーダをウエイト軸側につけられるようにしたエンコーダ対応型
私が購入したのは、これです。
このエンコーダーってのは、今は過去の遺物です。望遠鏡の表示をRA, DECでデジタル表示するアストロスケールってのが昔ありました。
今のタカハシのエンコーダはウオーム軸に直結してモータ駆動をフィードバックするために使っています。
一般的にNJPと呼ぶものはこれですが、以下にマイナーチェンジが続きます。
4. NJP-NV型赤道儀 1996/3発売 NJPのウォームネジの軸受けにベアリングを挿入、自動導入の高速回転に対応。
5. NJP-Temma 1998/9発売 両軸モーターを標準装備、ウオーム軸にエンコーダをつけて自動導入対応、当然オートガイドも
パソコン制御対応になったモデルです。
6. NJP-TemmaPC 2000/8発売 制御回路の変更版
7. NJP-Temma2 2002/7発売 制御回路のさらなる変更版
8. JP-Z Temmma2 2000/8発売 NJPシリーズの小改良型で、脚とバランスウェイトをEM-400と共通規格にした製品。2008年生産終了。

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