タカハシEM-1用三脚固定部 EM-200方式への改造

2017/12/29製作

私が使用しているタカハシEM-1の三脚は、反射用の木製直脚です。

この赤道儀は、'83年製、このころは当たり前だったのでしょうが、六角ナットで締める構造です。 また、分解しやすいように、三脚の脚はベースから簡単に外れる構造になっています。 このため、組み立てにはスパナが必要だし、設置中に三脚の向きを変えようとすると、簡単にベースから脚が外れていまうため、体全体で脚を支えながら動かす必要があります。
ずっとこれが当たり前だと思って使用してきましたが、EM-200を使用した時に衝撃を受けました。

これはいいなぁと思い、何とかEM-1用の三脚をEM-200方式に改造してみようと検討してみました。
ワンタッチで締めこむ構造は、自転車用のクイックレリーズという製品。
実際、EM-200用のものには自転車のメーカーであるSHIMANOのロゴが入っています。

いろいろ調べた結果わかったことは、以下の通り

クイックレリーズはいろいろなメーカから出ているが、いずれも軸径がφ5、ネジはM5
>自転車のフロント、リア用で長さが違い、フロントは100mm、リア用は130mm

一方、三脚の方は、ボルト必要長さは70mmちょっと、軸径はφ10です。
EM-200用のばらして調べてみると、クイックレリーズの軸にφ10程度のパイプをはめて使ってありました。

ということは、実現手段は、クイックレリーズのねじをダイスで切り足して、短く切断し、φ10のパイプを嵌めれば実現できることになります。

また、ベースから脚が外れる問題については、EM-10の三脚でされていたねじによる抜け止め策を実行することにしました。

【材料】

クイックレリーズ

ネットで探すと、いろいろなものが出ていますが、ともかく安いものを調べた結果、送料込で最も安かったヨドバシ.comでミノウラのトレーナー用クイックレリーズを購入しました。
値段は、\509/個
本当は長さが短いフロント用が欲しかったのですが、フロント用は単品販売されておらず、あと安いものが見つかりませんでした。
これはトレーナー用というもので、室内で自転車トレーニングするための装置(後輪だけがある)で使うためのもの
fig-kr
fig-ws

パイプ

ミスミの内径サイズ選択のスチールパイプを購入しました。
外径φ10、内径φ6、長さ70mm
内径はφ5でもよかったかもしれません。
値段は\690/個

大き目のワッシャ

モノタロウで購入しました。
外径φ30、内径φ5.5、厚さ1.5です。
299円/(7個入り)

ステンレスローレットねじ

M5、長さ30にしました。
これもモノタロウで購入、\339/個です。

【製作工程】

fig1 まず、クリックレリーズのM5オスねじを切ります。
バイスにクリックレリーズを固定。
小さくていいので、この作業にはバイスがあった方がいいです。
φ5の部分をクランプするので、滑りやすくレリーズのレバーをバイスの下に引っ掛ける形で回り止めをしました。
fig2 以前に購入した安物ですが、タップ&ダイスセットがあったので、それを使いました。
先に切断すると、ねじをうまく立てられるか心配だったので、ねじ切り量が増えますが、元のM5ねじを伸ばす形で加工しました。
fig3 安物のダイスでもつかどうか心配でしたが、3本のレリーズにねじ加工ができました。
fig4 ねじ長さがこんなに長くなりました。
fig5
fig6
次は、ねじを切断します。
写真のグラインダーは磨き用の砥石がついていますが、切断用に交換して作業しました。
fig7 これでワンタッチクランプの部品がそろいました。
fig8 早速取り付け
元の六角ボルトを外します。
fig9 このように組付けます。
fig10 組みあがりました。
これで締め付けにスパナは不要、ワンタッチで締め付けられます。
fig11 さて、次は脚の抜け止め加工。
ベースに穴をあけるため、ポンチを打ちます。
この写真の用に、ベースの裏側から打った方が、穴あけが楽だと思います。
fig12 あけた穴にM5のねじをたてます。
fig13 3箇所とも加工して、このようにM5-30のねじを取り付け。
fig14 脚をつけてからねじを奥まで締めこむと、このように抜け止めになります。
fig15 これで完成。
EM-200の三脚と同じように、組み立てが楽になるはず。

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