色管理(カラーマネージメント) 2004.3最終更新

パソコンで見たり、手直ししたりしたデジカメの画像をプリンターで出力した時に、パソコンで見た時と色が違うと思ったことはありませんか?(もちろん、それはプリンターの性能が悪いなどの問題もあるでしょうが)

又、同じデジカメ画像や、インターネット上の写真を見たときに、違うディスプレイで見たら色が違ったりして見えたりなどしたことはないですか?

もし、デジカメ、パソコン(のディスプレイ)、プリンターそれぞれが色に対して異なった基準を設けていれば、いくらパソコンで画像を弄くっても出力される物は違うものになってしまいます。
そして、実際RGBの色空間はこれらのデバイス(ディスプレイやプリンターなど)の色特性に依存するものなのです。色特性は、メーカーが異なるディスプレイの間でも、プリンターの間でも(メーカーが同じでも、型が違えば)違うのです。
印刷したら色が違う、違うディスプレイで見たら色が違うというのは、その例なのです。

そこで、絶対的な色の基準を設け、それにデバイスをあわせる事が必要になります。これが、色管理(カラーマネージメント)なのです。

絶対的な色空間として、CIE(国際照明委員会、Commission Internationale de l’Eclairage)の定めたLab色空間があります。


Macintoshはかなり前から、印刷業界などで使われていたため、OSにColor Syncというカラーマネージメントシステム(CMS)が入っています。
Windowsは98、2000以降にImage Color Matcting(ICM)というCMSが導入されました。

ICCプロファイル

各デバイス間におけるRGB色空間のズレをなくす為のカラーマネージメント方法がICC(国際色彩協会、International Color Consortium)により提唱されました。デバイスのRGB色空間の色が、Lab色空間の色のどれに当たるかという対比表を作り、デバイス間の調整を図るというものです。
ICCプロファイルとは各デバイスのカラーマネージメント情報をいれたものです。各デバイスごとにICCプロファイルがメーカーより配布されています。




しかし、全く同じ製品でも外的要因や個体差により、ズレが現れます。
ディスプレイの画質を調整したり、プリンタの印刷色を調整する必要がでるわけです。(ディスプレイやプリンタのキャリブレーションといいます)


ディスプレイの調整

ディスプレイも各メーカからICCプロファイルが出されていますが、ディスプレイは外的要因により、ディスプレイの色の見え方が変わります。
この場合の外的要因とは、部屋で使っている蛍光灯の色(電球色とかウォーム色、ナチュラル色など、色々な名称がありますが、全て色温度の差です)により、ディスプレイの見え方が変わったり、ディスプレイ自体の劣化であったりです。


最近主力のデジタル出力対応の液晶ディスプレイはキャリブレーションを行わなくてもかなり正確な色を出します。
ディスプレイのカラーマネージメントはかなり大変なこともあり、余裕があれば、デジタル出力付のパソコン(グラフィックボード)とデジタル入力対応の液晶ディスプレイを選ぶべきです。ノートPCは、デジタル入力の液晶と考えて問題ないです。(多分)
ただし、デジタル入力対応のディスプレイでも、使っている間に性能が劣化してくるので、その時には必要かもしれません。
といっても、CRT(ブラウン管)ディスプレイに比べれば、劣化は激しいものではないです。この面からも液晶はおすすめです。


さて、ディスプレイのキャリブレーションには、それ専用の道具(測定器)などが売られてたりしますが、高いし、かなりこだわる人や、プロのカメラマン、イラストレーターなどでなければ、そこまで精密さを出さなくてもいいかとおもいます。

そこで、Adobeガンマというものを使うのがまだ簡単でいいかと思います。Adobeガンマは、Adobe社のPhotoShop5以上に標準的に入っています。
Adobeガンマを使用したディスプレイのキャリブレーション法は、ここでは載せません。他に詳しく紹介しているサイトがかなりあるので。
まずは、Adobe社のAdobeガンマのページを参考に。

Adobe
           http://www.adobe.co.jp/support/techguides/color/gamma/main.html

プリンタの調整

最近のプリンターでは、AdobeRGB色空間を再現できるものが多数でており、AdobeRGB色空間でプリントする場合、プリンタの調整が重要になるのは言うまでもありません。プリンターのICCプロファイルは、Canon、Epsonなどプリンターメーカーから出ている(最近は、プリンタドライバ入れると一緒にはいるそうです。)ので、まずは自分のプリンター用のICC、ICMプロファイルを導入しましょう。
ICC、ICMプロファイルの導入法は、各メーカーサイトに載っています。

Epson
 ICCのDL        http://www.i-love-epson.co.jp/products/download/icc/
 Photoshopでの設定 http://www.i-love-epson.co.jp/products/download/icc/howtouse7.htm

Canon
              http://www.canon-sales.co.jp/bj/technology/icc/index.html

各メーカーの説明でわかるかと思いますが、ICCプロファイルは用紙ごとに対して(フォト用紙、光沢紙という感じ)設定が行われます。

PhotoShopのカラー設定

編集→カラー設定 で設定
 
PhotoShopはアプリケーションでカラーマネージメントに対応している画像編集ソフトです。
画像を編集するときに、アプリケーションでもきちんとカラーマネージメント設定をしなければ、色が変になることもあります。
プリンタのICCプロファイルを設定したら、こちらも設定してみましょう。




作業スペースとは、どの色空間で編集作業を行うかです。
デジカメをAdobeRGBで撮影したならば、AdobeRGBを、sRGBならば、sRGBで設定するのがよいでしょう。
sRGB作業スペースで設定してあり、AdobeRGBのプロファイルを持つ画像を開くなど、作業スペースとプロファイルが異なると色が変になってしまうので、フロファイルの不一致のタグの「開くときに確認」「ペーストするときに確認」にチェックを入れておきましょう。



このように、設定はプリプレス用(日本)でよいとおもいます。


プロファイル変換(イメージ→モード→プロファイル変換)
sRGBからAdobeRGBなど、色空間を変換する場合に使います。



sRGBのデジカメデータをAdobeRGBで編集したいときなどは、sRGBの作業スペースで開いてから、
AdobeRGBに変換してやるのがいいかとおもいます。



PhotoShopでの詳しいカラーマネージメント設定、説明についてはAdobeのHPを参考に

Adobe
   
http://www.adobe.co.jp/support/techguides/photoshop/cms6/main.html
   http://support.adobe.co.jp/faq/qadoc/AJ25.nsf/568c3abbb3d7890549256c5c0032abca/d10abf6f65cb669f49256cc2002d243f/$FILE/phs7inkjet.pdf (pdfファイル)



デジタルカメラのお店プリント(デジカメDPE)

写真屋でも、データを持っていく、ネットで送るなどの方法でプリントをしてもらうことができます。
その場合、お店の機械では設定プロファイルはどのように処理されるのでしょうか。

現在、DPE店においてある機械はAdobeRGB以上の色空間がだせるはずです。
しかし、現在AdobeRGBのプロファイルはsRGBにして印刷されるようです。よって、もしDPE店にもっていくならsRGBに変換して持っていくのが良いでしょう。
料金やサービスのお店比較など、デジカメDPEについては「デジカメDPE(デジカメプリント)案内処」サイトでかなり詳しく紹介されています。

デジカメDPE(デジカメプリント)案内処
           http://look.e-city.tv/index.html


最後に
CMSについて、よく参考にするサイトをあげておきます。

デジタル&モノクロ写真技法 写真家のためのカラーマネージメント
         
http://www.asahi-net.or.jp/~mr2y-knst/colormanage/index.htm
                                                                   戻る