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■2006年10月15日(日)
刑法の基本書
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刑法は行為無価値論をとるか、結果無価値論を取るかによって使う基本書が変わってくるので難しいところではあるでしょう。僕は行為無価値論で何説かといわれれば判例の立場によっているので、選ぶ本もそのようなものになってしまいますが、一応さらっと呼んだことのある中でよさそうな物をピックアップしてみます。
行為無価値論
刑法総論講義案(裁判所職員総合研修所監修 司法協会)
裁判官が裁判所書記官の研修用に書いたものです。もっとも実務の立場によって書かれている本でしょう。 自説などがない分、読みやすいのではないかと思います。また、新司法試験では、学者から1人、実務家が1人の計2人で一つの答案を採点するので、判例通説の立場の答案が失敗が無いのでは?と思いますし。
中々大きな本屋にも置いてなかったり、取り寄せも無かったりします。 一応、裁判所内の売店にはあるはずなので、どうしても無ければ近くの裁判所までどうぞ。
新版 刑法講義総論[追補版] (大谷實) 新版 刑法講義各論追補版] (大谷實)
各学説が網羅的に載っている本は、大谷先生の本でしょう。同志社の人にはお馴染みな本でしょう。しかし、新司法試験を考えるならこれほど網羅的に各説がいるとは思えないのと(しかし、今回の新司法は共犯と身分の各学説ごとの見解がでましたね?)理論的な整合性があやしい部分もあります。 各論は罪数処理が他の本より多く載っているいるのと、構成の仕方としては読みやすいと思います。 大谷説では基本書でしょう。
大谷先生の本は、コンパクトに書いたものがあります。
刑法各論[第二版] (大谷實) 刑法総論[第三版] (大谷實) 大谷先生が同志社大の総長ということもあり、新しい本はだされてないのも困った点でしょうか。
刑法各論<第三版>(法律学講座双書) (西田典之) 各論では定評のあるものではないでしょうか。改訂も2005年と新しいですし、割とコンパクトにまとまっている感じがします。 西田先生の総論は読んだことが無いのでわからないです。しかし、こちらは2006年出版と新しいのはポイントでしょうね。
結果無価値論
刑法総論講義<第四版>(前田雅英) 刑法各論講義<第三版>(前田雅英) 総論は2006年に出版された最新の本です。各論は1999年ですので、結構古いものです。 他の本にない特徴は図などをいれ、理解しやすいように工夫がなされているというところでしょうか。大谷先生の本より、読みやすいと思います。
判例集
判例刑法総論<第四版> (西田典之,山口厚,佐伯仁志) 判例刑法各論<第四版> (西田典之,山口厚,佐伯仁志) 重要判例が短く大量に載っています。演習科目ではなく、普通の講義などで触れられたときにさっと目を通す、新司法試験の短答式に活用できるかと思います。学部向けでは、判例百選の方がよいかと思いますが、法科大学院向けのコンパクトな判例集としては活用できると思います。もちろん、その中でも重要なのは最高裁判例解説やら実際の判例やらを見ておく必要がありますが。
総論は裁判所職員総合研修所監修のものを中心に、大谷や西田で補う、各論は西田中心にというのが良いかと思います。 | | |