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■2007年01月27日(土)01:16  民法772条
かなり放置してました。このHP。

それなりに忙しかったと言うことで。あ、あけましておめでとうございます。
遅いか。。


「離婚後300日以内に生まれた子供が「前夫の子」とされる民法772条・・・」

というニュースを昼やっておりました。

第772条1項 妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。
2項 婚姻の成立の日から200日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。

とあるわけで、離婚後300日以内の子→婚姻中に懐胎と推定(2項)→夫の子と推定(1項)ということになります。

一応、推定規定なので、反証があれば推定は覆ります。
(法律でいう「推定」とは、(裁判上での)反証がなければ、条文に書いてある通りの効果(法律効果)が発生するということ。
また、同じようなものに「みなす」というのがあり、これは反証があろうが、事実と異なろうが法律効果が生じるってものです。)

最高裁判例では、妻が懐胎したと思われる時期に夫が服役中であった事例、事実上の離婚(事例では、別居)していた場合に、「民法772条の推定は及ばない」としたものがあります。ただし、客観的に見て、どう考えてもこりゃ推定が及ばないだろうというものでしか認めていないといった感じです。(主観的な事情でわかるものは認めない)

主観的な事情でわかるものでも、「嫡出否認の訴」(民法774条)によって、争うことができますが、提訴権者は父だけです。


という、法律上の問題があり、さっき載せた新聞記事のような声が上がっているのでしょう。


なぜ、最高裁が主観的な事情でわかるもの(最高裁判例ではないですが、例えば、DNA判定で722条の推定が及ばないことが科学的に証明されたなど)も認めないのかというと、例えばDNA判定で夫の子ではないとされたときに、その子供が別に(血の繋がってない)父親と関係が良好で、家庭円満であったのに、その家庭を崩壊させることになりかねない。


裁判所では、科学的な血の繋がりのみをもって親子関係を決めていくのではなく、すでに家庭として成り立っているなら、特段それを壊すようなことはするべきでない、という考えのもとに判断を下しているようです。


先の記事の中にあった「井戸さん」の事例を見ると、別居が数年あることから、裁判で722条の推定の及ばないという判断がなされるでしょう(現に強制認知が認められているので、722条の推定が及ばないという判断がなされていると考えられます。推定を受けていると、認知はできないので。)

ただ、これは裁判上のお話。

戸籍実務や出生届(も父の名前書くんですよね?)など、行政側からすれば、どうやって前夫の子か、今の夫の子か判断しようがないです。

DNA鑑定書とかを添付されたところで、それが真性のものかなどを行政(窓口の人)に任せるのは問題があるでしょう。(戸籍官吏(役場の窓口のおっさん)には、形式的審査権(形式上、書類が法律に反していないか、書式が間違ってないかの判断)しかない)

DVなんかで離婚した人達だと、「前夫に(裁判で)顔を合わせたくない」などという人もいるなど、裁判でなら片がつくといえ、中々難しい問題のようです。

民法722条は学者からも色々批判のある条文ですが、では、どのように改正するのが良いのか。300日という規定を無くせばいいといっても、今度は逆に前夫の子が今の夫の子として届け出が可能になるということで、果たしてそれでいいのか?といった問題もあるでしょう。

どうするのがよいのでしょうねぇ。
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■2006年06月18日(日)  民法入門書といえば
普通の人向け情報ではないですが、僕個人が良いと思う学部や大学院用の入門書、基本書を連ねてみたいと思います。

学部で初めて法律を扱う、後は全く素人で独学で法律をやってみたいといった人はまず、これを読むと良いかなと思います。

民法案内1 私法の道しるべ
民法案内2 民法総則
民法案内3 物権法(上)
民法案内4 物権法(下)
我妻榮 著  遠藤浩 幾代通、川井健 補訂  出版:勁草書房

民法の世界では実務、学会問わず基礎とされる我妻榮の著書です。
入門と言っときながら、内容的には学部の講義レベルはあると思います。
前出版元がつぶれたため、最近になって勁草書房が再販しています。
そのためか、補訂により現代にも対応できるようになっています。

利点は、今でも判例・通説的見解である我妻説が理解しやすい。
欠点は、シリーズ本はまだ全巻出ていない。
我妻榮は戦前〜戦後の方ですので、言い回しが古い。
遠藤、幾代両氏はすでに故人、川井健もかなり高齢ということで、最新の学説理論となると対応しきっているのか、といった点でしょうか。


もうひとつ、最近出版された本で比較的簡単なものを。
個人的には民法案内よりこちらのほうがお勧めです。

基本民法1 総則・物権総論 第2版
基本民法2 債権各論 第2版
基本民法3 債権総論・担保物権 第2版
大村敦志 著 出版:有斐閣

新司法試験考査委員でもある大村敦志の本です。
利点は、要件がわかりやすく載っている。
学説での争点、問題点が簡単にまとめられている。
欠点は、本当に簡単にまとめられている。

といったところでしょうか。争点をもっと突っ込むには、内田貴の民法(通称うちみん)などがいると思いますが、まぁ、最低限のことはカバーしています。
大学院でも、未修としてはそれなりに使えると思いますよ。
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